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魔法を解いて新たなステージへ!MAGiC BOYZ“全員卒業ライブ”で見せた4人の集大成(音楽ナタリー)

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MAGiC BOYZが本日7月16日に東京・SOUND MUSEUM VISIONにてライブイベント「MAGiC BOYZ iTTAN FiNAL」を開催。このライブをもって、メンバー全員がグループから卒業した。

【写真】MAGiC BOYZ(撮影:笹森健一、小坂茂雄)(メディアギャラリー他33件)

2014年にトーマ、リュウト、フウト、ユウトによる4人組として結成され、2015年にデビューしたマジボ。デビュー直後にはマヒロが加入し、2016年にはフウトとユウトが卒業、その後ジョーとミロという小学生DJがグループに参加し秋にはミロが卒業、そしてZEN-LA-ROCKが加入し2017年に卒業と何度もメンバー体制を変えて活動を続けてきた。

今回の“全員卒業”は、体制を変えるたびに決意新たにリスタートをしてきた彼らが「このまま繰り返していてはグループとしてもメンバー個人もこれ以上成長できないのではないか」と考えて至った決断で、トーマ、リュウト、ジョーは3人で新たな音楽の道へ進むことが決まっている。そして、今後学業と俳優業の両立をはかっていくマヒロにとっては、これがアーティストとしてステージに立つ最後の機会となった。マジボのラストステージを見届けるため会場には満員のホーミー(MAGiC BOYZファンの呼称)が集まり、フロアは開演前から熱気に包まれる。またFRESH LIVEではライブの模様が生配信され、会場に足を運ぶことができなかったホーミーも4人での最後のステージを見守った。

開演時刻を迎え、左右に引かれた幕の奥から姿を見せた4人は「P!P!P!」パーカに黒いマントという、MAGiC BOYZお披露目当時の衣装に身を包んでいた。マヒロが「PPPー!」と思い切りオーディエンスに魔法をかけると、彼らはドープなデビュー曲「MAGiC SPELL~かけちゃうぞ!ぴっぴっぴっ~」でラストライブの幕を開ける。

オープニングナンバーを終え4人がマントを外すと、トーマは「3MC&1DJ, This is MAGiC BOYZ!」と名乗りを上げた。「マジボのテーマ~Baby to Boy~」「illson feat.NIPPSオカモトレイジ(OKAMOTO'S)」と冒頭からハイテンションにキラーチューンを連発する彼らの勢いに触発されるように、フロアの熱気も急上昇。「illson」ではトーマが「これがラストライブ、最後の最後まで全員俺たちに付いて来い!」と頼もしくホーミーに呼びかけ、4人は力強いヘッドバンギングでファンを沸かせた。

MC3人がタオルを振って盛り上げた「調子のってる↑」からは、自身のレパートリーをメドレーふうにつないだパフォーマンスでホーミーを楽しませていくマジボ。アタッシュケースにびっしり詰め込まれた一万円札(ダミー)を惜しみなく客席にバラまいた「10000000000YEN」、彼らが3年の歩みの中で体得してきたマジボならではのパフォーマンスでもある息ピッタリのキュートなダンスでも楽しませた「『ずら』との遭遇!」と目まぐるしいエンタテインメントを展開すると、続けてMC3人のソロ曲のコーナーへ。マヒロは日々のいら立ちをリリックに詰め込んだ「イラッとするコト」で持ち味のパワフルなラップをフロアに叩き付け「イラッとしてー!」というホーミーのコールを巻き起こす。トーマは穏やかな口調で「“iTTAN FiNAL”ということで、お茶のよさを伝えていきたいと思います」と言って「お茶の国から」を披露し、最後にマイクをリレーしたリュウトは「ここまでのこと、無駄じゃないって証明するぜ!」と言い放ち「1,2,3」の高速ラップをエネルギッシュに歌い上げてみせた。

「ドンマイ~The Shock Doctrine Mix~」ではリュウトとマヒロがフロアへ降りてホーミーと一緒に飛び跳ね、さらなる熱狂を誘う。続く「パーリーしようよ」では観客たちを見つめたトーマが「ホーミーのみんな、お前ら最高だよ!」と呼びかけた。オープニングからここまで13曲をノンストップで駆け抜けると、彼らは深くお辞儀をして一旦ステージ袖へと姿を消した。

マジボのこれまでの歩みをまとめた映像が上映されると、ライブは後半戦へ。adidasのセットアップジャージで再登場した4人は「モンスターストライク カードゲーム」のWebムービーで自身が歌う「YAREBA.E.JAN.HOKA-GO」をライブ初披露。フックで4人が踊るコミカルな振りはトーマ考案のもので、パフォーマンス後にはこの振りについてリュウトとマヒロからツッコミを受けたトーマが「マジボってそういうグループだからさ」と照れながら“言い訳”する場面も。そして、ライブのキラーチューン「DK GO!!!」をスモーク噴出の演出でド派手に展開して会場の熱を再点火させた4人は曲のあとにこの日初めてのロングMCを設け、トーマは「僕らの曲が聴けるのもこれが最後。最後の最後まで楽しんでもらえたらと思います」とホーミーに呼びかけた。

トラックなしのアカペラでリュウトとマヒロが披露した高速ラップにホーミーが息をのんだ「ハミダス」、トラップの独特な世界観でディープなムードを演出した「俺の髪は黒」、スローなビートに乗せたディスコティックなサウンドに合わせた艶っぽいダンスとジョーのメロウなボーカルが印象的な「でも、ダメ、ゼッタイ」と、ここではこれまでさまざまな先輩アーティストとのコラボの中で彼らが培ってきた表現の幅広さ、マジボのバラエティ豊かな楽曲群が曲数を重ねるにつれて浮き彫りになっていく。SUSHIBOYSとのコラボで生まれた「O.NE.DA.RI」ではトーマが冒頭に「1つおねだりさせてくれ。両手挙げてクラップ!」と呼びかけ、ホーミーは彼の声に応えて温かいクラップ音を会場に響かせていた。

マジボ史上最年長メンバーとしてグループに電撃加入し、約4カ月にわたって現メンバーをすぐそばでサポートしたZEN-LA-ROCKプロデュースの楽曲「Oh!!!受験☆Night Fever」でメンバーもホーミーも「お受験生!」と声を合わせると、彼らのライブパフォーマンスも佳境。ここでマジボのブチアゲパーティーチューン「Do The D-D-T!!」がドロップされるとひと際大きな歓声が上がり、リュウトは「一皮も二皮も、なん皮もむけた俺らを見せてやるよ!」と言って渾身のラップをフロアに叩き付ける。ジョーサンバホイッスルを吹き鳴らしてスパークするシーンではマヒロもジョーと一緒に踊り狂ってホーミーの熱狂を誘っていた。

この曲を終えると、デビュー時からマジボを見守ってきた“マジボ学園”校長のNIPPSとVIKNがステージへ。壇上では「卒業証書授与式」が行われ、マジボ学園の全過程を終えたメンバーはNIPPSから1人ひとり卒業証書を受け取った。そして彼らはそれぞれに今の思いを語り、ジョーは「2年やってきてみんなより経験は少ないけど、思い出はみんなと同じくらい積み重ねられたし、すごく楽しかったです。DJも小っちゃいコントローラから大きなターンテーブルまで成長できて、そういうのがすごく楽しかった。新しいグループになっても僕は続けますのでこれからもよろしくお願いします」と挨拶。マヒロは「この4人でいろんな経験をしてきて大変なこともあったけど、でもそれ以上に毎日が本当に楽しかったです。この3人がいたから僕はここまで来れたんだなと思います。これからこの3人は本当にもっと大きくなる存在だし、僕は僕自身でがんばっていきたいと思っています。本当に今までありがとうございました!」とこれからも音楽活動を続けていく3人に力強い言葉でエールを送る。リュウトは「グループを始めた頃、僕は自主性が何もなかったけど、MAGiC BOYZとしてやってきて本当にヒップホップが好きになったし、自主性が育ったのは、こうやってステージに立てることが本当に大きかったなと思います」と自身の成長を言葉にすると「ホーミーは相当にマジボを思う気持ちがないとできない行動をしてくれて、そういったことがマジボの周りにはたくさん見受けられて、そんな環境の中にいられるっていうことが本当に恵まれているなと思います。これからは新しいグループでやっていきますが、冷静に楽しく視野を広げて楽しいものを作っていきたいと思います」とホーミーへ思いを伝えながら前を見据えた。

最後にマイクを握ったトーマは「MAGiC BOYZの最後に皆さんがライブ会場に来てくれて、こうして楽しくライブができたっていうのは最高の時間だと思います」と切り出すと、涙で少し声を震わせながら言葉をつないだ。彼は「デビューしたときはEBiDANファンの皆さんはヒップホップのノリとか楽しみ方をあまりわかっていなかったと思うし、僕たちにもラップをやるということがわからなかったけど、ライブをやっていくうちにMAGiC BOYZというグループのライブのやり方、楽しみ方ができていって、本当に……皆さんと一緒に僕たちのスタイルを作り上げていけたというのはうれしい思い出の1つでした」とこれまでを振り返る。そして「このグループは突然のメンバーの脱退や加入があったりして、皆さんを驚かせてしまったと思います。ごめんなさい。それでも皆さんはずっと付いてきてくださっていて、ホーミーがいなかったらここまで来ることができなかったし、本当に感謝の気持ちしかありません。ここで学んだことや皆さんと経験した楽しい思い出は忘れないようにして、次につなげたいと思います。皆さん本当にありがとうございました!」と大きな感謝をホーミーに伝えた。本編のラストを飾ったのは、3MC+1DJ体制となって初めてリリースされたシングル曲にして、“卒業しても終わらない仲間とのつながり”を歌う「3.141592」。トーマ、リュウト、マヒロは一緒にタイトルコールをして、お互いに目を合わせながらこの曲をファンへと届ける。曲を終え4人が深くお辞儀をすると、彼らの背中には大きな拍手の音が降り注いでいた。

4人が姿を消すと、ホーミーによる「マジボ!」コールが自然と湧き起こる。この声に応えメンバーはアンコールをスタートさせ、彼らは「ありのままでマジボ」で優しく声を重ねた。続けて「ハッピーエンドマジック」が流れ出すと、マヒロは「ホントに今までありがとうー!」と思い切り叫ぶ。「グッバイ さよならのあとは 超ハッピーエンド」と明るい未来を約束する“お別れの歌”をホーミーと一緒に歌った4人。この曲でアンコールを終えるもオーディエンスがマジボの姿を求める声は止まず、メンバーはダブルアンコールでもう一度「Do The D-D-T!!」を届ける。リュウトが「この1曲にすべて込めてブチ上がりましょう!」と叫ぶと、最初のバースを担うマヒロが思い切りステージセンターへと飛び出した。彼はトーマ、リュウトと肩を組みながら熱狂のフロアを見つめ、ジョーもDJブースから飛び出してMC3人と盛り上がる。マジボとしてのラストナンバーを全力で駆け抜けたトーマ、リュウト、マヒロ、ジョーは曲を終えるとホーミーの前に並び、トーマの「以上、僕たちは高校生と中学生のヒップホップグループ、MAGiC BOYZでした!」というかけ声で深く一礼。笑顔で顔を上げると「バイバイ!」と言って“魔法少年”としての最後のステージを終えた。

なお、ライブの終了後にはTOMA(トーマ)、RYUTO(リュウト)、JOE(ジョー)による新たなヒップホップユニット・HONG¥O.JP(ホンギョージェーピー)の始動を告げるVTRが会場のビジョンに映し出され、ホーミーの大きな歓声を誘った。“魔法”から卒業した彼らが“本業”で今後どんな姿を見せてくれるのか、ファンはこれからも3人の活躍に注目しよう。

MAGiC BOYZMAGiC BOYZ iTTAN FiNAL」2018年7月16日 SOUND MUSEUM VISION セットリスト
01. MAGiC SPELL~かけちゃうぞ!ぴっぴっぴっ~
02. マジボのテーマ~Baby to Boy~
03. illson feat.NIPPSオカモトレイジ(OKAMOTO’S)
04. MAGiC HAND~マジヘン!~
05. 調子のってる↑
06. 10000000000YEN
07. 「ずら」との遭遇!
08. PAC47
09. イラッとするコト
10. お茶の国から
11. 1,2,3
12. ドンマイ~The Shock Doctrine Mix~
13. パーリーしようよ
14. YAREBA.E.JAN.HOKA-GO
15. DK GO!!!
16. オレでしょ??
17. ハミダス
18. 俺の髪は黒
19. MOTE☆MAGiC 2017
20. でも、ダメ、ゼッタイ
21. ON&ON
22. O.NE.DA.RI
23. MAGiC RiDE 2017
24. Oh!!!受験☆Night Fever
25. Do The D-D-T!!
26. 3.141592
<アンコール>
27. ありのままでマジボ
28. ハッピーエンドマジック
<ダブルアンコール>
29. Do The D-D-T!!

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音楽ナタリー

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